多様な考え方を取り入れたい
個性を発揮してほしい
強みを活かしてほしい
新しい風をいれてほしい
そんな風なことを会社に新しく入った人に言っているのをみたり、
あるいは言われたことがあります。
でもこの言葉をそのまま受け取ってはいけないこともあるのだなと
思い知らされました。
言葉ではみんなそう言うんです。
でも結局それを邪魔しているのは言っている本人たちなんですよ。
ずっと変わらない組織は何故変わらないのかを考えるにあたり、
実は自分たちが邪魔をしていないか考えてみることから始めて
もらいたいと思っています。
(当たり前ですが、すべての人がそうではないと思っています。)
本人たちもその矛盾に気がついていないので、例えば新入社員や
転職してきた人、外部のコンサルタント等に冒頭のような
期待しているという意味の言葉をかけるのです。
しかし、実際に新たな提案であったり、おかしい部分を指摘したりすると、
昔からそうだから、これはこういう理由があってこうしなければ
いけない、といった返答でもってそれ以上何かを変えようとしないのです。
もちろん、なんでもかんでも変えればいいわけではなく、現状が最適な形として
存在しているものもあるでしょう。
それは理解した上で、そうではない部分を変えようとすると、あるいは
そういう発言をするだけでこういった人たちはその意見を封じ込めようとします。
意識的にやっている人もいるのかもしれませんが、無意識にやっている人が
多く、その分たちが悪い。さらには、自分たちが邪魔していることに気がついて
いないため、もっと新しいことをしてほしいのにしてくれない、あの人は
その程度の人だった、という評価を下したりします。
自分に責任がある、自分のやり方に問題があるのでは?という
自責の観点が非常に弱いのもこの人たちの特徴です。
仕事の仕方一つとっても、細かな部分でそれはこういうやり方がよい、と
自分たちのこれまでのやり方をやらせようとする。
本人は押しつけているつもりはないのでしょうが、こちらのやり方が
いいのでは?という話や、一律同じやり方ではなくそれぞれの
やり方でいいのでは?という話をしても、それだとこういう場合に
こうだから云々といい、他の意見を認めない。
多様性を許容できないのです。
許容というと許すという意味合いがあり、
なにも許してもらう必要性などないものですが、
そういう人たちに”お許し”を得ずに勝手にやってしまうと、
邪魔をされます。
決まったやり方・考え方でないと嫌悪感を持ち、
そのやり方・考え方以外を認められないのです。
自分たちがやってきた以外のやり方で進めることが怖いのか、
責任を持つのが嫌なのか、従来のやり方を踏襲するだけなので
多様性など活かせないのです。
それでいてもっと個性をとか訳の分からないことを言い出す。
そしたらということで意見を言ったり、もっといろんなやり方を
認めてをいいのではという話をしても、とはいえこういった部分は
大事にしないといけないから、という大義名分的な理由を持ち出し、
変化させない。
面倒なのはその大義名分的な理由は一見正しいように聞こえる、
という点です。
その理由自体はある意味もっともではあるのですが、それが現状を作り上げ
その現状を変えようというときにその理由を持ってきても、変える気がないのか?
と思ってしまいます。
仕事の中では、正解はないことも多く、正しいも何もない、というかある意味では
みんな正しいし、ある意味ではみんな間違っていると思うのですが、
それまでそれで過ごしてきたから現状維持から離れられないのです。
あくまで、何かを生み出してきたわけではなく”過ごしてきたから”、
それで今まで”過ごしてこれたから”(これからも大丈夫と無意識に考え)
変えられないのです。
これからもそれでいいとは限らないのに…
こういったことを繰り返されるうちに、やる気が削がれていきます。
仕事内容も、根本はそのままだがちょっとした改善をして
それらしく仕事をした気になっていく。
私もそういう経験をしたことがありますし、他の人がそうなっているのを
見たこともあります。
そんな状態や人を変えていこうとすることも大事ですし、実際に変えることが
できた人もいるでしょう。でもどうしても変わらない人もいます。
そんなことに労力を使うくらいなら、ほんとうに多様性を受け入れられる人と
仕事をした方が遥かに前に進んでいける、今はそう思っています。
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