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効果のなかったボイトレについて


私はこれまでいろいろなボイストレーニングを受けてきました。
トータルで使ったお金は300万を優に超えます

思い返せば時間とお金の無駄だった(よく言えば勉強になった)ものも
たくさんあります。
というか、そっちの方が多いくらい。

今は、これだと思えるボイストレーニングに出会えたのでよかったのですが
それまではちっともうまくならずにずっと悩んでいました。


そんな私がこれまで受けてきたボイトレで効果のなかったものの1つについて
今日は書いてみようと思います。


体に響かせろという幻想


タイトルにある通り、それは「体に響かせろ!」というボイトレ。

声を出したときに、体に振動を感じるように、
たくさん響くように振動をできるだけ感じるように出す、
といったもの。

また、「体」と一口に言っても、
胸だったり、
頭だったり、
鼻だったり、
足だったり、
体全体だったり、
、、、教える人によって言う場所が異なりました


今の私から見ると、この練習はほぼ意味がない、と思っています。
意味がないどころか害があることすらあると考えています。


体に響くってどういうこと?

そもそも”体に響く”ってなんだ?という話なのですが、
仮に響くこと=振動することだとすると、
声を発すれば、体のどこかには勝手に響いています。

音は振動であり、体からその振動が出ている以上、
体自身が振動していたり共鳴することは意識しなくても
誰でも起こっていることです。


それを無理に頭や足に響かせようといくら声をだしたところで
声を自由に操ることができるようになるとは思えません。



でも響きを意識したら声は変わるよ?


振動をさらに大きくすることや、別の場所を響かせることによって、
声が変わったりする結果をもって、
「ほら声が変わるでしょ、軽い響きになったでしょ、これを続けたらいいよ」
というのは本質的な練習ではないと感じています。

なぜなら、

何かすればたいてい声は変わる。
けれども変わったからそれがいい練習だ。


とは言えないからです。


声は喉から出ています。

喉の筋肉によって様々な動きを見せる結果、いろいろな声が出せるのです。

それを体の響きによって声色が変わるというのは、
発声の基本的な仕組みをないがしろにしているように思います。

また、響きが胸にあるときは太い声、頭にあるときは軽い声、
などという教えもありますが、
ここでいう響きと声質は関係がありません。

太い声だろうが、細い声だろうが胸に響かないということはないですし、
頭にあるからといって重い声にならないわけでもありません。


ちなみに最初の方で、”ほぼ”意味がないと言った”ほぼ”とは、
こういった体への響きを意識することで声が変わることは事実で
それがその人にとってたまたまいい練習になる、ということはあるからです。


しかしそれは、偶然であり、万人に使える練習方法ではなく
私からみれば博打みたいなものです。


宝くじにあたるのを祈るようにボイトレするのはもうやめましょう!







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カテゴリー: 声・歌

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