私が今まで習ってきて効果のなかったボイトレシリーズ。
今回は
脱力しましょう
です。
♪脱力しましょうの呪い
「脱力しましょう」
「力を抜きましょう」
これまで散々、言われてきました。
頑張って力を抜こうとしてきて
これまでうまくいったかというと
残念ながら一度もうまくいってません・・・
どこどこに力が入っているからそこには力を入れないように
と言われても、入れたくて入れているわけではないので
どうやって力を抜いたらいいのか分かりません。
それでも頑張って力を抜こうといろいろ試行錯誤し、
「そうじゃない、力を抜きすぎ」と言われたりしてw
答えを模索する日々でした。
これも数あるボイトレの教えの中で
こうならなければならない
というまるで呪いのようなものでした。
♪脱力ってなんだ?
そもそも脱力ってなんなんでしょうか?
辞書で調べると、
体の力抜けること。力を抜くこと
とあります。
ボイトレでは後者、つまり意識して力を抜くことをしましょう
と言われることが多い気がします。
(勝手に)体の力が抜けること、という言われ方は
あまりされたことがありません。
と前置きが長くなりましたが、要は、力を抜くこと、です。
ではどこの力を抜くのか?
これは教え方が千差万別です。
その人の発声をみて、力が入っていそうな体の部分、
それは肩だったり、首だったり、舌だったり、あごだったり、
主に上半身が多いような気がしますが、
その部分を指摘して、力を抜くように、力を入れないようにと
指導をするのです。
いずれにせよ、
力が入っている部分を力を入れないようにすること
というのが共通して言われることです。
♪脱力はいいこと?
脱力はいいことなのでしょうか?
いい発声には必要なことなのでしょうか?
私の考えでは脱力は、
できるならいいが、できないなら無視しろ!
です。
無駄なところに力が入らないことを脱力と呼ぶなら、
それはもちろんいいこと
だって無駄な力を入れないで声を自在にコントロールできるなら
そっちの方が楽だし疲れないはずだから。
だけど、そう簡単に力を抜くことなんてできません。
まして、どこに力が入っているかもわかっているか怪しいところだし、
それが特定できたとして、そこだけ力を抜く、
なんて器用な真似ができるなら、もっと声も操れるはず。
力を抜く、というのは簡単なようで実はとても難しいことなのです。
やってしまいがちなのが、力を抜こうとするあまり、
抜かなくていいところまで力を抜いてしまうこと。
力を抜くことに集中するあまり、悪い意味でリラックスし過ぎて
声まで弱々しいものになってしまうこと。
これは誤った脱力の状態だと思っていて、
本当の脱力とは、
必要な所に必要なだけ力が入っている状態
だと考えています。
つまり、
力を抜く
とはある意味、逆の発想なのです。
あくまで結果として力が抜けているのであって、
力を抜こうとして力が抜けているわけではない。
力が抜けているという表現も、もしかしたら的確でなく
そもそも不要なところに力が入っていない
というのが正しい表現かもしれません。
♪どうしたら真の脱力ができるのか?
必要な所に必要なだけ力が入っている状態
を真の脱力、とここでは呼びます。
では、どうしたら真の脱力ができるのか?
それは力を抜こうとはしないことです。
そして、必要な力をつけることです。
必要な力をつけるためには、力を抜くのではなく入れないといけません。
発声に必要な力がついてくれば、
自然と不要な力は使わなくなります。
しかしそれは一朝一夕にはできず、
少しずつ少しずつ、必要な力を身につけていって、
ようやくできるようになってきます。
力を抜くために、力を入れる
逆説的かもしれませんが、これが今の私の結論です。
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